テルマエ・ロマエの作者、高浜かわら美術館「ヤマザキマリの世界展」

お出掛けログ

愛知県高浜市にある「かわら美術館」で、漫画テルマエ・ロマエの作者、ヤマザキマリさんの展覧会が開催されていたので行ってきました。

写真撮影OKだったので、たくさん写真を撮ってきました。この展覧会に行けなかった方でも内容が分かるように解説します。

「ヤマザキマリの世界展」の基本情報

タイトル:ヤマザキマリの世界展‐世界で生きて、世界を描く‐

開催期間:2024年4月13日(土)~6月30日(日)

場所:愛知県高浜市 かわら美術館

観覧料:高校生以上900円、中学生以下無料

観覧時間:10:00~17:00

休館日:月曜日、火曜日

美術館入り口

美術館の入り口では、ルシウスがお出迎えしてくれます。

会場入り口

会場は美術館の2階。階段で2階に上がると大きなパネル「ヤマザキマリワールドの学童」が飾られています。これは2022年に東京造芸大学で開催された企画展でも飾られた学生の作品です。

イタリアの画家ラファエッロ・サンツィオの作品「アテネの学童」をモデルにして、ヤマザキマリさんの作品に登場する人物を描いたものです。

こちらが登場人物の説明です。

ヤマザキマリさんの基本情報

ウィキペディアによると、14歳の時にドイツとイタリアを一ヶ月間一人旅をしている。

17歳で高校を中退し単身イタリアに渡り、フィレンツェの国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で美術史と油絵を学ぶ。

2008年に連載を開始した「テルマエ・ロマエ」が大ヒット。2010年マンガ大賞受賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。2012年には阿部寛さん主演で映画化。

2024年には「プリニウス」(とり・みき共著)で第28回手塚治虫文化賞マンが大賞を受賞。2024年2月からは「続 テルマエ・ロマエ」の連載が開始されている。

 

ヤマザキマリさん展覧会への思い

会場の入り口には、ヤマザキマリさんの展覧会への思いがつづられています。一部抜粋です。

予測どおり、自分が専攻した15世紀の北方ルネサンス様式の肖像画は全く需要が無く、11年間の戦苦闘の末、生きていく手段として漫画を描くようになったのは私が28歳の時だった。 理想や夢を抱くことの残酷さを痛感していた私は、とにかく子供を育てるために粛々と漫画を描き続けてきた。私から創作や表現に対する奢った考えを一切合切払拭した画家への道の挫折は、今振り返ればかけがえのない大切な経験だったと思う。(省略)何はともあれ、前へ突き進むために吐いてきた煙のような作品ではあっても、誰かはそれを、少しは面白いと思ってくれるのかもしれない。私の漫画を読んで、少しは笑ってくれるのかもしれない。展覧会場を歩いていると、並べられている作品が、私にそんな主張をしているように思えてくる。途中いくつかの挫折を経験してきても、表現という生業は投げ出すことなく年齢を重ねてきた自分を、今なら少しくらいは労えるかもしれない。

この思いを読んでから作品を見て歩くと、ヤマザキマリさんの人生観やこれまで経験してきたすべてが漫画や絵画という作品に色濃く反映されていることを感じずにはいられません。

ヤマザキマリさんと言えば

この彫刻で彫ったような肉体美と美しい顔のローマ人。部屋に飾って崇めたい。

 

テルマエ・ロマエの誕生秘話

留学先でお風呂に浸かれなかった経験が、お風呂漫画を描くきっかけになったそうです。

カラカラ帝浴場の立体再現模型

サウナや運動場、食堂などもあったそうです。今でいう健康ランドですね。

油絵の肖像画

山下達郎さん竹内まりやさんご夫妻と親交があるそうです。この展覧会に際し、山下達郎さん、そのお友達の桐竹勘十郎さん、立川志の輔さんの肖像画を油絵で描いたそうです。数年ぶりの油絵とは思えない完成度。油絵はヤマザキマリさんの原点。このお三方の人間としての厚みのようなものまで表現されているような素晴らしい肖像画です。しばらく見惚れていました。

まりやちゃんかるた

竹内まりやさんの40周年を記念した「まりやちゃんかるた」は、ヤマザキマリさんのオリジナルイラスト。可愛いです。

競技者の壺レプリカ

漫画「オリンピア・キュクロス」に登場する「競技者の壺」レプリカ。黒が印象的です。最初に壺全体を黒く塗り、その後、人物などを残して背景を掘り出す技法でデザインされているそうです。

漫画「プリニウス」の展示

私はこの漫画をまだ読んでないのですが、おもしそうです。特にヴェスヴィオ火山によって消滅したポンペイ滅亡の話は、以前映画「ポンペイ」を観た時に衝撃を受けたので気になります。

幼少期や若いころの作品

幼少期の可愛い絵や若い頃の作品も展示されていました。9歳でこの構成と画力。絵を描くのが好きだったんですね。

代表作の続編

たくさんの作品がある中でもやっぱりヤマザキマリさんと言えば「テルマエ・ロマエ」。こんな面白いストーリー、キャラだった登場人物はヤマザキマリさんにしか書けないと思います。

私は「テルマエ・ロマエ」を読んだのがきっかけで銭湯やサウナに行くようになりました。大衆浴場の楽しさを教えてくれたのはこの漫画です。

2024年2月から「続 テルマエ・ロマエ」の連載が開始されました。日本の銭湯へのタイムスリップ劇場がまた楽しめます。これからもヤマザキマリさんの作品からは目が離せません。

 

 

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