琵琶湖に浮かぶ神秘の島、竹生島(ちくぶしま)。
島全体が“神域”とされ、訪れるだけで浄化されるような空気に包まれています。
ここには、日本三大弁才天のひとつ「竹生島弁才天」が祀られ、金運・芸事・縁結びのご利益を求めて多くの参拝者が訪れます。
さらに、豊臣秀吉や徳川家康ともゆかりがある国宝・唐門や重要文化財の「観音堂」「舟廊下」など、歴史的にも見どころ満載。
そして、竹生島の魅力は“船でしか行けない”という特別感。
呼ばれた人だけが辿りつけるような、不思議な旅のはじまりです。
この記事では、滋賀の最強パワースポット・竹生島のご利益・見どころ・アクセス方法を紹介します。
パワースポットと呼ばれる理由|弁才天信仰と「神の島」の伝説

竹生島は、古来より「神が棲む島」と信じられてきた、神聖な聖地。
奈良時代、僧・行基がこの島に四天王像を安置したことが、竹生島信仰のはじまりと伝えられています。
島の南部には、宝厳寺(西国三十三所三十番札所)と、国宝に指定された都久夫須麻神社(竹生島神社)が鎮座し、
長い間、神仏習合の聖域として多くの人々の祈りを受け止めてきました。
竹生島神社は、もともと「弁才天社」として信仰されてきた場所で、
神仏分離の際には弁才天を神としてまつる形に改称されましたが、神と仏が共にある島という信仰は今も色濃く残っています。
そして、ここに祀られる竹生島弁才天は、
江島神社(神奈川)、厳島神社(広島)と並ぶ「日本三大弁才天」のひとつ。
金運・芸術・縁結び・心の浄化を願う多くの人が、船でこの神の島を目指します。
三大弁才天のひとつ|竹生島弁才天(宝厳寺)

島内にある宝厳寺(ほうごんじ)は、奈良時代に聖武天皇の勅願によって開かれたとされる古刹で、
ここに祀られる竹生島弁才天は、日本三大弁才天のひとつとして知られています。
(他の二つは、神奈川県の江島神社、広島県の厳島神社)
また、三大弁才天の中でも、最も古くに建立されたことから、「大」の文字を冠した大弁才天と称されています。
弁才天は七福神のひとりとして知られ、金運・芸能・学問・縁結び・子孫繁栄など、特に女性にとってうれしいご利益をもたらす女神です。
弁才天は、インドの水の神「サラスヴァティー」をルーツにもち、仏教に取り入れられた後は、修行を助ける守護神として崇められ、そこから芸道・商売の守り神としても人々に親しまれるようになりました。
弁才天は、努力する人を応援し、願いを現実へと導いてくれる存在なのです
幸せ願いダルマ|悩みを手放し、願いを弁天様に託す

宝厳寺には、心温まる願掛け体験として知られる「幸せ願いダルマ」があります。
赤いダルマの中に、あなたの願いごとや心の中にある悩みを書き入れ、弁天様にそっと託して奉納するというものです。
このダルマは、訪れた人の不安や苦しみを受け止め、心に安らぎと幸せをもたらしてほしいという想いから奉製されたもの。
奉納されたダルマは本堂にて一年間、丁寧にご祈願していただけるそうです。
そして、奉納の証としていただけるのが、手のひらサイズの可愛らしいダルマストラップ。
旅の思い出としてはもちろん、願いが叶うまでのお守りとして持ち歩きたくなる、心強い存在です。

国宝「唐門」|歴史とロマンのめぐり逢い

宝厳寺の観音堂に接して建つ「唐門(からもん)」は、まばゆいほどに豪華な装飾が施された、桃山時代を代表する国宝建築のひとつです。
もともとは、京都・東山の豊国廟にあった「極楽門」で、豊臣秀頼の命により、片桐且元が竹生島へ移築したと伝えられています。
屋根は桧皮葺、建物全体は黒漆塗り。その上に金の飾り金具や、鳳凰・牡丹・松などの極彩色の彫刻が施され、まさに“極楽”の名にふさわしい美しさ。
実際にその姿を目の前にすると、時を超えて信仰の想いが受け継がれてきた“神と人をつなぐ門”のように感じられます。
近年の研究では、大坂城の本丸にあった幻の「極楽橋」の遺構である可能性も示唆されており、
この門が竹生島にあるという事実に、歴史のロマンと霊的な巡り合わせを感じずにはいられません。
舟でしか行けないアクセス方法|事前チェックが大事!

竹生島への道のりは、ちょっと特別。
この神の島には、舟でしか渡ることができません。
それゆえに、訪れるたびに“呼ばれた気がする”――そんな声もあるほど、スピリチュアル感たっぷりのアクセス方法です。
▶ 運航ルートと乗り場
現在、竹生島行きの観光船は主に以下の3つの港から運航しています:
- 長浜港(滋賀県長浜市)
…所要約30分・便数多め・アクセス便利 - 今津港(高島市)
…所要約25分・本数は少なめ - 彦根港(彦根市)
…春〜秋の季節限定運航が中心
※港によって運航時期や本数が異なるため、事前に時刻表・天候を必ずチェックしておきましょう。
とくに冬季や強風時は欠航する場合があります。
▶ チケット購入のポイント
チケットは、各港の窓口・または公式サイトから事前予約可能です。
当日購入もできますが、混雑時期や団体が入る日は売り切れることもあるので、できれば事前予約がおすすめ。

長浜港発チケット。神の島へ向かうわくわく感が高まります♪
まとめ|女神に導かれ、心が洗われる“浄化の島”へ
竹生島は、弁才天が降り立ったとされる“女神の島”。
不思議なことに、かつては女人禁制の地であったにもかかわらず、
その中心にまつられているのは、水と深いご縁をもつ弁才天様――女性の神様です。
水はすべてを洗い流し、心の迷いや不安までも浄化してくれるもの。
この島に吹く風や波の音、澄んだ空気に包まれると、
いつの間にか胸の中にあった重さが、すーっと軽くなっていくのを感じます。
今ではフェリーで気軽に訪れることができますが、
かつて人々は手こぎ舟で静かにこの島を目指したのでしょう。
願いを胸に、弁天様のもとへ――。
そんな時代を想像しながら舟を進める時間も、竹生島の旅の大切な一部です。
この島で出会えるやさしい浄化のエネルギーこそ、
竹生島が最強のパワースポットと言われる理由なのかもしれません。