春風に誘われて訪れたのは、滋賀県の山間にたたずむ「MIHO MUSEUM」。
世界的な建築家I.M.ペイ氏による幻想的な桜のトンネルと美術館、そして体に優しいランチまで――五感を満たす癒しの時間をお届けします。
アクセス&基本情報
住所 | 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 |
電話番号 | 0748-82-3411 |
開館時間 | 10:00~17:00(最終入館16:00) |
休館日 | 開館期間中の月曜日(祝日の場合は各翌平日) |
入場料 | 大人 1,300円 / 高校・大学生 1,000円 / 小学・中学生 無料 |
駐車場 | 大型バス20台 普通車300台 (無料) |
アクセス | ・JR石山駅より帝産バス「ミホミュージアム」行ご乗車で約50分 ・お車で、新名神高速「信楽IC」より約15分、 同「草津田上IC」より約20分、名神高速「栗東IC」より約30分、 京滋バイパス「瀬田東IC」より約30分、名阪国道「壬生野IC」より約35分 |
レセプション棟

ミホミュージアムの体験は、ここ「レセプション棟」から始まります。
レセプション棟の左側には、現在開催中の特別展の大きな案内看板が立ち、訪れた人の心を引き込みます。

このレセプション棟には、チケット購入のほか、ギフトショップや無農薬ランチが楽しめるレストランも併設しています。
チケット購入
ミホミュージアムの入場チケットは、レセプション棟にある券売機で購入します。
大人1,300円、高校生・大学生は1,000円(2025年4月現在)。

券売機は現金のみ。クレジットカードやQRコード決済を希望の方は隣の受付カウンターで購入することができます。
自然に抱かれた“桃源郷”への入口

チケットを手にして向かう先は、桜並木が続く道。
ここから、自然と建築が織りなす“桃源郷”の世界へと足を踏み入れていきます——。

両脇の門柱に迎えられて歩みを進めると、そこには美しいしだれ桜の並木が続いています。
訪れた日はまだつぼみか三分咲きでしたが、つぼみのピンクと青空のコントラストがとても印象的でした。

桜並木の先に現れるのは、静かに佇むトンネルの入り口。
このトンネルは、美術館棟へと続く“演出の一部”とも言える場所で、自然と建築の境界線を感じさせない独特の存在感があります。
満開の時期には、左右から垂れるしだれ桜がトンネルを包み込む絶景に。
振り返る「桜の景色」

ミホミュージアムの最大の見どころのひとつが、この桜の景色。
トンネルに入り、振り返った時に現れます。
自然と現代アートが織りなす奇跡の絶景です。

写真に写る人のシルエットさえもアートのパーツに。
その先に広がるピンクと白のしだれ桜が、トンネルのカーブと調和して、まるで一枚の絵画のような美しさを生み出しています。
訪れた日はまだ満開ではありませんでしたが、咲き始めの柔らかな色合いも、また違った魅力を放っていました。
トンネルに入ったら、ぜひ振り返ってみてください。
そこには、言葉にできない美しさが待っています。
🌸桜の開花情報
ミホミュージアムの桜の開花状況については、公式サイトの「季節の花 / 桜情報」ページで最新情報が確認できます。
このページでは、現在の開花状況だけでなく、過去の開花記録も掲載されているので、旅の計画を立てる際の参考になります。
最新の開花情報をチェックするには、以下のリンクをご利用ください
訪問前にこのページを確認することで、桜の見頃を逃さずに楽しむことができます。
光のトンネル

トンネルの中はゆるやかなカーブになっていて出口は見えません。
温かい色の間接照明に癒されつつも、異世界へとつながるような近未来的なトンネルの内部です。

そして、突然差し込む光、出口に向かうにつれ見える美術館棟。
もはや見える景色すべてがアートです。

美術館棟から見たトンネルと山の風景も絶景です。

美術館棟へ
“光”を感じる建築

トンネルを抜け、吊り橋を渡った先にあるのが美術館棟。
ルーブル美術館のガラスのピラミッドで知られるI.M.ペイ氏による設計です。
どこか懐かしい合掌造りを彷彿とさせる佇まい。
ガラス張りの屋根は近代的な作りであっても自然と調和したデザインで、建築好きにもたまらないスポットです。
館内へ一歩足を踏み入れると、最初に出迎えてくれるのは、ガラス張りの大きな窓と、屏風のように切り取られた松と山の風景。

美術館棟はエントランスを中心に北館と南館に大きく分かれています。
こちらは北館。幾何学的なフレームの影も建築アートのひとつに。

訪問時、北館では特別展「うつくしきかな」が開催されていました。

こちらは、南館からみたエントランスに続く廊下。

南館は1階と地下1階に展示があります。
解放感のある吹き抜けに天井まで届きそうに伸びているのはフェイカスの木。
沖縄のジャングルから運ばれて来たそうです。
窓からそそぐ日の光と緑の木陰が訪れる人の休息場所になっています。
最後に見逃されがちな素敵な場所をご紹介します。

ここは、雨の日の電気自動車の発着地となっていて、車椅子の方も利用されているロータリーと呼ばれる場所。南館地下1階にあります。
円形状の広場の中央には四角い天窓。ローマ帝国の遺跡の中にいるようです。
晴れた日は四角い天窓から光が差し込み、ここでも光の演出を体験することができます。この建物を設計したI.M.ペイ氏が語った「光こそが鍵」という言葉が、静かに胸に沁みてきます。ぜひ訪れてみてください。
🎧音声ガイド

作品についての詳しい説明が欲しい方には、音声ガイド(600円)がおすすめです。
特別展も常設展もカバーされていて、内容がとても充実しています。
ミホミュージアムに初めて訪れる方や、作品の背景をしっかり知りたい方には、ぜひ使ってみてほしいアイテムです。
☕カフェ

ぜひ立ち寄ってほしいのが南館地下1階にあるカフェ「Pine View」。
ガラス張りの天井から自然光が差し込む開放的な空間で、山の景色を眺めながら過ごせる贅沢なカフェタイムになります。時間によっては人気のスイーツが完売していることもあるので、計画的に利用するのがおすすめです。
🛍️ミュージアムショップでおみやげを

ミュージアムショップは、美術館棟の北館、南館、レセプション棟にそれぞれあります。
置いてあるものが違うのでそれぞれ見て周るのも楽しいです♪
北館のショップでは特別展に合わせた和柄モチーフのグッズがあり人気でした。
無農薬ランチで心と体をリセット
レセプション棟に戻ってランチをいただきます。

アートを堪能した後は、レセプション棟にあるレストランでの無農薬ランチがおすすめ。
ここでは、農薬も肥料も一切使わない「秀明自然農法」で育てられた野菜やお米を使った、やさしい味わいの料理がいただけます。
写真のメニューは、3種類のおにぎりと季節の野菜が色とりどりに並んだプレートにお豆腐とお味噌汁がついた「おむすび膳(1,800円)」。
目にも鮮やかで、どれも素材の味が生きていて、一口ごとに心がホッとほどけていくような美味しさでした。
中でも敷地内の工房で毎日手作りしているという「MIHOとうふ」はなめらかでコクがあり、大豆の味わいを感じられる一品です。
お豆腐だけの単品メニュー(200円)もあるのでぜひ食べてみてください。
建築・自然・アート・食。すべてが調和する場所へ
自然に溶け込むような建築、光が織りなす空間演出、そして季節のうつろいを感じる桜の小道と、体にやさしい無農薬ランチ。
どの瞬間も、ただ「観る」だけでなく、「感じる」ことに満ちていました。
訪れたのは4月の初旬。満開には少し早かったですが、その風景は、今この時にしか出会えない“生きたアート”のよう。
訪れる人の心と体を静かに整えてくれる“桃源郷”のような場所でした。
日常の喧騒からふっと離れて、
自分自身と静かに向き合える時間を求めている方にこそ、訪れてほしい場所です。